2022/06/01

観光ガイドシステム



観光地におけるGPS活用!観光客の行動を分析する

観光地ビジネスのようなインバウンド需要が高いビジネスプランを成功させるには、データによる分析が不可欠となります。これまではWebサイトの予約などから得られるパーソナルデータを元にプランを決定するケースがほとんどでした。しかしパーソナルデータだけで意思決定するには不十分な場合があります。

観光地ビジネスに力を入れたいと考える場合、特にお客様の行動データがあればマーケティングのプランが立てやすくなります。プランを考える前に観光地ビジネスは一般的に街の開発と直結するケースが多いため初期投資にハード・ソフト両方に多額なコストがかかる傾向があります。そのためお客様へ提案したビジネスプランが外れた場合に大きな損失が発生することも少なくありません。ビジネスプランを外さないためにもデータによる緻密なマーケティングプランがあると安心です。

またデータマーケティングは一般的にコストがかかるイメージがありますが、今回ご紹介する内容はGPSサービス導入による分析で、大規模な開発など無く、簡単に利用が始められる方法となります。GPSサービスによる観光客の行動分析を活用すれば、低コストでアクションデータを入手することができ、適切な行動分析による有益なマーケティングプランを作り出すことができるでしょう。

観光地ビジネスにGPSサービスをどのように活用するのか?


観光地ビジネスにGPSデータを活用するメリットはオフラインデータを取得することにあります。

観光地ビジネスではオフラインによる観光客の行動データが取りにくい状況です。
オンライン上の行動はWebサイト、ECサイト、SNS、アプリからアナリティクスで顧客の動作履歴をたどり、分析データをストックすることはできますが、あくまでWebサイト上での履歴なので、オフラインでのアクションデータまでを連携させたり予測することは困難です。どのルートを利用しどの実店舗で飲食したのか、どのお土産屋で買い物したのか、滞在時間はどの程度だったのかを知る術がありません。
そこでGPSサービスを使えば、観光客のオフラインによる履歴を詳細かつ一括で管理・確認することができます。

またGPSサービスの活用のシーンは様々です。
例として、まずはレンタカーでの活用です。レンタカーの移動履歴を使って観光客の行動分析を行います。観光客の利用するレンタカーの位置情報をキャッチし、位置の管理を行います。

レンタカーは年々利用者数も増え、今後も増加傾向の見通しとなっているので、観光地でのレンタカー利用者のGPSデータを活用することはマーケティングのデータとして信頼性が高いといえます。

参考 全国レンタカー協会 https://www.rentacar.or.jp/about/archives

次に旅館やホテルでの活用です。主に接点はオンラインによる情報のみとなり、このデータを元にマーケティングプランを立案することは難しく勘によるプランの立案になり、事業者主体の観光プランを考えた場合、失敗や損失などのリスクは高まってしまいます。

ところがGPSサービスで観光客の行動データを一括管理し、取得すれば、パーソナルデータに行動履歴をかけわせることで、より詳細なマーケティングプランを立案でき、失敗や損失のリスクを回避できるようになります。

観光客であるサービス利用者の立場からも、慣れない場所での移動となるため、万が一迷ってしまった場合に位置情報を観光業者に共有し、詳細な指示を受けることが可能という利点や、オフラインデータを共有することにより今後よりよいサービスを受けられる可能性が広がるという、利用者と提供者の両者にメリットがあるサービスといえます。

活用事例


さらに具体的な例として長野県のホテル事業でのGPSサービスの活用方法を紹介します。

長野県でも長野市に訪れる観光客は年間で1000万人といわれており、最も人気のあるスポットは長野市の善光寺です。

旅館やホテル側のアクションプランとしては、善光寺の御開帳など注目のイベントにちなんだ内容であったり、長野市から移動のしやすい軽井沢のオシャレで落ち着いた街並みを探索するプランなど、自社サイトや観光に特化したポータルサイト、予約サイトを経由して観光客にご提案をしています。

参考 長野市公式HP内資料 https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/101413.pdf

じゃらん https://www.jalan.net/kankou/cit_202010000/

このようなマーケティングプランは、Webサイトで調べて得られるデータやホテルの予約時に得られるパーソナルデータを元にある程度予測しながら立案することができますが、GPSサービスから得られる行動履歴を加えることで、より詳細な観光客のデータを知ることができ、初めて気付くことや確信となることなど様々あります。

例えば長野市に立ち寄った観光客は県内で人気の松本市や軽井沢町など複数の地点を訪れていることが長野市の公式で公開されている資料から分かっていますが、その答え合わせもGPSサービスを導入することで自社で知ることが可能となり、複数の場所を訪れさらに飲食店なのかお土産目的なのか、滞在時間やルートまで細かなセグメントを確認することも可能です。

参考 長野市公式HP内資料 https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/101413.pdf

このようにGPSサービスで得た観光客の行動を分析すれば、結果次第では軽井沢のホテルは軽井沢周辺を楽しめるプランを用意し、長野市や松本市のホテルは長野市・松本市の両方を楽しめるプランを用意するなど確信を持って実行することができます。

従来のWebサイトの情報によるパーソナルデータのみでも、一定の集客は見込めるでしょう。ただマーケティングプランを運用していくには、それなりの費用もかかります。観光に特化したポータルサイト、予約サイト、その他の広告媒体を活用することは最善ですが、広告掲載料とのバランスに伸び悩む場合は、オフラインデータの分析という角度からGPSサービスの設置を検討すると改善する可能性はあります。GPSサービスの導入に、高額な投資費用は必要ありません。マーケティングプランの効果を最大化する上でも、GPSサービスによるアクションデータを加え活用することは重要なことです。

観光地ビジネスとGPSで取得したデータを連携


観光地を訪れる観光客の行動を分析することは観光地ビジネスの向上・発展に役立ちます。海外や県内外から訪れる観光客が観光地に求める像を詳細に知ることができます。

人気のある観光地や、観光地として集中する場所である観光客の行動情報を収集し、分析することで、観光客が観光地に求めているサービスを確認できるのです。
観光地ごとに観光客が訪れる場所いわゆる行動を一括管理でデータ化し、分析することでより良いサービス提供につながり、全国の観光地のなかでも人気のある観光地として注目されるようになるでしょう。

観光地におけるGPSサービスの活用は観光客の行動を分析するため


観光地のようなビジネスモデルは失敗すると損失のリスクも高く、高度な分析力や経験値が求められる分野でした。ITによるデジタル化で、顧客のパーソナルデータを活用するようにはなったものの、より詳細なペルソナを設定するまでにはいたらず、いわゆる「勘」による意思決定を繰り返しトライアンドエラーを繰り返したケースも多くあるでしょう。
GPSサービスによる移動履歴の分析を用いると、より詳細なパーソナルデータに加え、行動までを活用できるので、失敗のリスクを軽減するだけでなく、より効果的なマーケティングプランを立案し、よりよいサービスをお客様にご提案することができます。GPSサービスによる観光客の行動分析は今後も観光地ビジネスと観光客に大きな利益をもたらすといえるのです。

観光地におけるGPS活用!観光客の行動を分析する