
みなさまは認知症がかなり身近になってきていることはご存知でしょうか?
2023年9月時点の65歳以上の高齢者人口は3,600万人(全体の約29%)と言われており、65歳以上の高齢者の46%は認知症を発症する可能性があるとされて、徘徊を含めた対策を講じることが重要だと考えられています。※
また、2020年の行方不明者77,022名のうち認知症又はその疑いによるものは17,565名(構成比約23%)と原因・動機の中で一番大きい割合を占めています。※※
今回は、このような状況の中で、高齢者の認知症による徘徊の予防・早期発見を目指したIoTサービスをご紹介したいと思います。
※ニッセイ基礎研究所、令和5年全国将来推計人口値を用いた全国認知症推計(全国版)―65歳以上の高齢者層がピークとなる2040年には46.3%が認知症の可能性、共生社会の実現をー、https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=75566?site=nli、2024年1月18日
※※警視庁生活安全局生活安全企画課、令和2年における行方不明者の状況、https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/R02yukuefumeisha.pdf、2024年1月18日
認知症高齢者の介護状況

認知症高齢者の介護や地域の協力体制・課題・実態はどのような状況でしょうか?
【家族による介護とストレス】
家族が介護する際の悩みには、介護の肉体的・精神的な負担、家庭環境や健康状態、社会的な孤立感、差別や偏見への対処、制度的な制限や経済的な問題があります。
介護者が感じるこれらのストレスは、自己嫌悪や不安につながることもあります。
介護者が「気が休まる」と感じる瞬間は限られており、日々の介護で多くの負担があるのではないでしょうか。
【対策の一つとしての地域包括ケアシステム】
地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた地域で、可能な限り自立した生活を続けられるよう支援する体制を指しています。
このシステムの目的は、高齢者の尊厳を保ちながら自立した生活を支えることです。
具体的には、医療、介護、介護予防、住宅、日常生活支援が包括的に提供されます。
自治体が主体となって、地域の特色や住民のニーズに合わせたサービスを構築し、行政、医療、福祉、介護サービス、住民、ボランティアなどが協力して対応しています。
認知症高齢者の徘徊原因とその対策

認知症高齢者の徘徊にはさまざまな原因があります。
▶︎ 記憶障害:新しいことを覚えられない、または思い出せない状態
▶︎ 見当識障害:現在の時間や場所がわからなくなる
▶︎ 過去の習慣の再現:過去の行動や習慣を再現しようとする
▶︎ 自分の居場所を探す:「自分はここに属していない」と感じる
▶︎ 不安やストレス:これまできたことが出来なくなることによる不安
▶︎ 前頭側頭型認知症の症状:一定のパターンを繰り返す
上記の徘徊の原因に対する対策としては下記のようなポイントが挙げられます。
▶︎ 日常生活のリズムを整える:体調管理や生活リズムの維持
▶︎ 安全な外出先の提供:デイサービスなど、安全な外出先の提供
▶︎ センサーやGPS端末の利用:外出時の安全を確保するための技術的なサポート
▶︎ 地域との連携:近隣住民や地域の協力による見守り体制の構築
IoTの活用メリット

IoTセンサーやGPSトラッカーを活用することは徘徊対策にとっていくつかのメリットがあります。
▶︎ 位置情報のリアルタイム把握
GPSトラッカーを用いることで、徘徊者の位置情報をほぼリアルタイムで把握できます。
これにより、認知症の方が徘徊している場合に迅速に対応することが可能になります。
行方不明から発見までの期間と生存率は反比例することや電車を止めてしまうなどの周りに迷惑や損害を与えるケースもあるため、未然の防止や早期発見することはメリットがあります。
▶︎ データの蓄積と分析
IoTデバイスは利用者の活動パターンを自動で記録し、これらのデータを知ることで、徘徊の傾向やリスク要因を理解し、予防策を講じることが可能となります。
▶︎ 安心感の提供
家族や介護者は、高齢者が自宅を離れた場合や活動に関して通知を受け取ることが出来ます。
常に高齢者の安全を確認できることで安心感を得ることが出来ます。
▶︎ 自立性の維持
高齢者がある程度自由に外出することで、自立した生活を送ることが出来ます。
同時に、家族や介護者は過度な監視や介入をせずに済みます。
最後に
IoTBankでは、徘徊見守りソリューションや協力会社と実現した一人暮らしの高齢者見守りサービスなどの事例があります。
IoTデバイスの開発から、システム開発支援、API連携まで、早期に安価でご支援できる環境が整っている弊社へ是非ご相談くださいませ。