
小さな子供の保護者や認知症を発症した高齢者を介護しているご家族は、いつも「見失う」ことを心配していると思います。
小さな子供と認知症患者さんは「見守る目」がなくなると、短い時間で姿を消してしまうことがあります。彼ら彼女らは危険を察知することが苦手なので、事故に遭うリスクが高まります。交通事故に巻き込まれたり転落したりすれば、大ケガを負うこともありますし、最悪、命を落とす可能性もあります。
そこで本コラムでは、子供と認知症の方を見失うことがどれだけ危険であるかを解説したうえで「見失い事故」を防ぐ方法とGPSサービスの活用についてご紹介していきます。
子供を見失うと事故につながる可能性が高まる
世の親は、なぜ小さい子供は危険に近づこうとするのか、と感じているのではないでしょうか。小さい子供は無意識に危険な場所に進んでいっているように感じます。
小さな子供が事故に遭いやすい理由を考えてみます。
危険な場所のほうが面白そうだから
小さな子供が無意識に危険な場所に向かってしまうのは、そちらのほうが刺激が強いからです。
例えば、街中で工事をしていれば、そこには大きな機械があり、人がいっぱいいて、「ドドド」と大きな音がしています。それが危険であることを知らない小さな子供は、自然とそちらに足が向いてしまうでしょう。
海ならば浜辺より沖のほうが面白そうですし、山ならば登山道より森のなかのほうが神秘的です。小さな子供には危険な場所のほうが魅力的です。
命の危険という概念
大人が危険な場所に近づかないのは、その場所が危険であると知っているからです。では危険とは何なのかというと、命の危険のリスクの強さです。大人は命の危険のリスクが高い場所を「危険な場所」と呼んで近づかないようにしています。
しかし小さな子供は命の危険を理解できないので、危険も理解できないのです。小さな子供に「そこに行ったら命が危ない」と言っても、それを理解できないので恐怖心がない状態です。
10分間目を離しただけで溺れて亡くなることも
家族で川の近くに遊びにきて、親が10分間目を離しただけで、小さな子供が川のなかに入ってしまい溺れて亡くなってしまうこともあります。
また、「魔の7歳」という言葉をご存知でしょうか。歩行中の交通事故死傷者数は7歳が一番多く、そのように呼んでいます。7歳は小学1年生で、親の手を離れて1人歩きする機会が急激に増える年齢です。何かに夢中になると周囲の危険に注意を払うことを忘れて、一目散に目的の場所に向かいます。それで交通事故に遭う確率が高くなってしまいます。
さらにいえば、夢中になって危険に注意を払わず目的の場所に向かえば、行方不明になることもあるでしょう。
参考 子どもが一瞬であなたの前から消えるワケ https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_2_3.html
参考 7歳が危ない https://www.toyota.co.jp/kodomoanzen/hogosha/walk.html
認知症高齢者を見失うと事故につながる可能性が高まる
認知症の症状の1つに徘徊があります。徘徊は目的もなくさまようという意味で、実は認知症患者さんにはその人なりの目的があって歩きまわっているのですが、周囲の人にはその目的が理解できないので「徘徊」にみえてしまいます。徘徊は認知症患者さんを危険にさらします。
危険を認識できなくなる
認知症患者さんが徘徊してしまうのは、場所を認識できなくなったり、行ってよい・悪いの判断ができなくなったりするからです。
そして危険も認識できなくなります。認知症の高齢者が線路に入って列車にひかれてしまう事故に遭ってしまうのは、「走行中の列車に近づくことは危険」と認識できないからです。認知症患者さんがトイレを探しているうちに線路内に入ってしまい、走ってきた電車にはねられて死亡するという痛ましい事故も起きています。
徘徊などが原因で行方不明になる認知症患者さんは年間2万人近くいます。
参考 認知症の父が電車にはねられ死亡、高額賠償請求 遺族の苦闘、それを救った最高裁判決 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/528185
参考 認知症の行方不明者が増加中 https://www.cocofump.co.jp/articles/byoki/94/
■見失い事故を予防するための心構え
●保護者や介護者は極力、子供や高齢者から目を離さないようにする
●どうしても見守れないときは、代わりの人に見守りを依頼する
●代わりの見守りの人がいなかったら別の方法を考える
この3段構えで見失い事故を防いでいきましょう。
対策1:保護者や介護者が目を離さない
ここからは、子供と高齢者を見失い事故から守るために、どのような対策が取れるのか解説します。
大原則は、小さな子供の保護者と認知症患者さんの介護者が目を離さないことです。子供も高齢者も誰かから「危ないからそっちに行かないで」と言われれば、大抵はそれに従います。仮に呼び掛けを振り切ったとしても、相手が子供や高齢者であればあとをついていくことは容易なはずです。
しかし保護者や介護者といえども、24時間365日、子供や高齢者を見守り続けることはできないでしょう。そこで見失い事故の予防には次のような心構えが有効になります。
対策2:協力者を増やす
保護者や介護者がカバーできない部分は、協力者に見守りをしてもらいましょう。
1人で子供や高齢者の見守りをするのではなく、家族に協力してもらいましょう。
もし家族も都合がつかなかったら、地域の人たちを頼ることができます。小さな子供の場合は学童保育や塾などの習い事教室の人たちが見守りの協力者になってくれるはずです。認知症の高齢者の場合は介護事業者が助けてくれます。
また、地域によっては警察が高齢者の徘徊対策を講じています。いよいよとなったときに最も頼りになるのはやはり警察になります。
参考 認知症高齢者の保護について https://www.pref.kyoto.jp/fukei/anzen/seitai/ninchisho/index.html
対策3:最新技術で予防する「GPSを使う」
「対策1:保護者や介護者が目を離さない」も「対策2:協力者を増やす」も人を使った対策です。
それで足りなければ、最新技術を使いましょう。
見失った人の場所を探すにはGPSが役立ちます。
GPS端末を持ってもらえば位置情報から居場所を特定できる
グローバル・ポジショニング・システム(GPS)は全地球測位システムと訳され、カーナビなどに使われています。GPSの端末を持っていると、人工衛星が発する電波を受信して現在位置が特定されます。そのため、保護者や介護者は位置の追跡が可能になります。
小さな子供や認知症高齢者向けのGPS端末も開発されていて、それを持ってもらえば、保護者や介護者が見失ってしまってもすぐに居場所を確認できます。
GPS機能が搭載された小型の端末を対象者に持ってもらい、その人の居場所を常にわかるようにするサービスです。
GPS端末の大きさは小さいサイズが多く、子供や高齢者がいつも持っているバッグに忍ばせておくことができます。
見失ったら保護者や介護者が自分のスマホでGPSの位置を確認することができます。そこに行けば、子供または高齢者がいるわけです。
GeoPita(ジオピタ)とは
弊社がサービス展開するGeoPia(ジオピタ)とはGPS端末を利用して人やモノの位置の管理や稼働状況を一括管理することができるクラウドサービスです。
社員やスタッフ、従業員などの人の位置情報管理から、建設現場や物流・運送ビジネスまで計画通りに稼働・移動できているか把握できるサービスとなっています。
これまで小さな子供や高齢者について様々なリスクと位置情報サービスの関連性をご紹介してきましたが、弊社がサービス展開するGeoPia(ジオピタ)は基本機能となるリアルタイムでの位置情報の一括管理は見失い対策に対応しシンプルで使いやすい設計です。サービスに利用するGPSトラッカーは位置精度にこだわって開発し、高い評価をいただいておりますので、小さな子供や高齢者の見守りに安心してご活用いただけます。
基本機能となるリアルタイムでの位置情報の管理の他、下記の機能を備えています。
・移動履歴の表示(画面上での確認、CSV形式、GPX形式でダウンロードが可能)
・エリア管理
・稼働レポート
・GPSトラッカーのボタンを押下で位置情報通知
・業務時間外の位置情報を見えなくする機能
・社員・スタッフの自宅付近(ステルスエリア)の位置情報を見れなくする機能
1ヵ月の無料トライアルも設けているほか、無料で資料を配付しています。子供と高齢者にGPS端末を持ってもらうだけで、すぐに位置の追跡が可能で、このサービスを使えば子供の見守りや介護のサポートとなり、保護者や介護者の助けとなることでしょう。
ユースケースなど業務内容に合わせたご提案もしておりますので、興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合せください。
まとめ
小さい子供も認知症患者さんも、保護者や介護者の制御がききません。「じっとしていて」「行かないで」と頼んでも、目を離した隙に危険なほうに向かっていってしまいます。そのため保護者や介護者は、子供と高齢者を見失わないようにしなければなりません。それが、子供と高齢者の命を守ることにつながります。
しかし、人が他人を24時間365日完璧に監視することは不可能です。しかも保護者や介護者は仕事や家事に忙しいことが多く、なお完璧な監視が難しくなります。
見守りができない時間は、本文で紹介したように、IoTサービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。