2022/05/10

シニアの見守り



高齢者の介護に有用な位置情報サービス(GPS)とは?

高齢化が進行し、介護を必要とする高齢者が増えています。内閣府の統計によると、介護を必要とする高齢者の人数は2015年度末で606万人となっており、2013年度末から200万人以上増加しています。

参考 平成28年版高齢社会白書(概要版) https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_2_3.html


実際、家族や親戚の介護をしている方もいるでしょう。介護とはいえ、1日中ずっと見守ることは難しいものです。特に介護者が高齢者と離れて暮らしている場合、心配がつきものでしょう。

高齢者の見守りサービスにはさまざまなタイプがありますが、中でもGPSによる位置情報サービスが役立ちます。本稿では、高齢者の介護に有用なGPSによる位置情報サービスについて、事例やデータを交えて紹介します。

GPSの位置情報で何が出来る?


高齢者の介護において、GPSの位置情報を使って何ができるのでしょうか。GPS端末が取得する位置情報により、高齢者の見守りが可能です。そもそもGPSとは、衛星システムを活用し、位置情報を特定するシステムのことです。

GPSによる位置情報サービスでは、人工衛星と通信できる屋外において、数メートル単位という高精度な位置情報を取得します。取得した位置情報は手持ちのタブレットやスマートフォンに通知され、リアルタイムで高齢者の位置追跡が可能です。

また、「自宅の周囲50メートル」などの特定エリアを設定し、エリアを超えた場合に通知される機能などを備えています。多くのGPS端末はコンパクトな形状で、高齢者が身に着ける服や靴などに簡単に装着可能です。

一般的に見守りシステムは365日24時間対応しており、緊急時には専門スタッフ、従業員が現場に駆けつけるサービスや他にもサービスの種類は様々で、Webでの一括管理やリアルタイムに位置を追跡できるものまであります。位置情報を確認する専用のアプリやサイト、端末のデザインはサービスによって異なります。

メリットとデメリット


最大のメリットは、GPSにより高齢者の位置情報を追跡し、徘徊対策に効果的なことです。内閣府の統計(2015)によると、介護が必要になった主な原因は「認知症」が最も多く、約20%を占めています。

参考 平成28年版高齢社会白書(概要版) https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_2_3.html


昨今、認知症などを患った高齢者による徘徊が深刻化しています。徘徊は行方不明や事故に巻き込まれる危険性があるため、早急な対策が求められています。

内閣府が公表した資料によると、2012年の認知症患者数は高齢者の7人に1人の462万人に対し、2025年には約700万人、5人に1人になると見込まれています。警察庁のデータによると、2019年における認知症が原因の行方不明者数は過去最多の1万7,479人となります。

参考 平成28年版高齢社会白書(概要版) https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2016/html/gaiyou/s1_2_3.html

参考 令和元年における行方不明者の状況 https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00773/


こうした徘徊対策に効果的だとして注目を集めているのがGPSによる位置情報サービスです。実際に群馬県高崎市では、行方不明の心配のある高齢者の家族にGPS機器を無償配布。見守りシステム利用者が行方不明になった事案が90件ありましたが、全て無事に保護されています。

参考 厚生労働省 行方不明を防ぐ・見つける 市区町村・地域による取組事例 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/jirei1_1.pdf


またいくつかの自治体では、サービス利用者に対する助成制度を設けています。群馬県伊勢崎市では、市内在住の40歳以上の人を対象に現場急行料金や端末紛失代など、位置情報に関わる費用を一部負担しています。兵庫県尼崎市の場合、介護を必要とする高齢者を対象に位置情報端末機を貸与。青森県五所川原市では、GPS機器の初期費用等の一部負担を行っています。

参考 伊勢崎市 徘徊高齢者等位置情報サービス https://www.city.isesaki.lg.jp/soshiki/tyozyu/hokatsu/senior/3100.html

参考 尼崎市 認知症高齢者等GPS利用支援サービス https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/koreisya/nintisyou/041haikai.html

参考 五所川原市 認知症等高齢者GPS機器提供事業 https://www.city.goshogawara.lg.jp/kenkou/fukushi/H290414GPSjigyou.html


一方デメリットとしては、常に身に着ける必要がある点では、不便に感じている利用者もいるようです。また、充電式のため、定期的に充電するためにこっそり取り外す必要もあります。GPSの位置情報サービスは、プライバシー保護の観点からの懸念も指摘されています。

高齢者の見守りに限らず、位置情報は個人情報であり、利用者は注意が必要です。位置情報が盗まれ、悪用されないためにサービスの正しい利用方法を理解しましょう。

GPSサービスの選び方は?


GPSサービスは安価なものから高額なものまで、さまざまです。端末のデザインやサポート体制の充実度などにより、料金が異なります。多くの個人用のGPSサービスは月額型で、月500円前後が相場です。買い切り型のサービスの場合は5,000円〜1万円前後が相場です。また法人向けの一括管理システムなど用途に応じたサービスを提供し、幅広い価格レンジで展開されている場合もあり、自治体によっては助成制度を活用することで負担を軽減できるケースもございます。

参考 厚生労働省 行方不明を防ぐ・見つける 市区町村・地域による取組事例 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/jirei1_1.pdf

参考 株式会社 日本総合研究所 認知症高齢者の行方不明時等の見守り・捜索システムについて https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/detail/20200410_theme108_2.pdf

また、操作性も重要です。基本的に、GPSサービスは誰でも簡単に導入できるよう、シンプルな操作性となっています。とはいえ、位置情報を確認する際の通知システムや端末の操作方法など、サービスによって異なるので、高齢者本人や家族が使いやすいものを選ぶようにしてください。

加えて、導入実績を確認しておきましょう。公式ホームページで豊富な導入実績を後悔しているサービスは信頼できます。操作性や費用・予算に応じて、本人や家族に合ったGPSサービスを選んでください。

弊社がサービス展開するGeoPitaでは基本機能となるリアルタイムでの位置情報の一括管理はシンプルで使いやすく、GPSトラッカーは位置精度にこだわって開発し、高い評価を得ています。

また基本機能となるリアルタイムでの位置情報の管理の他、下記の機能を備えています。
・移動履歴の表示(画面上での確認、CSV形式、GPX形式でダウンロードが可能)
・エリア管理
・稼働レポート
・GPSトラッカーのボタンを押下で位置情報通知
・業務時間外の位置情報を見えなくする機能
・スタッフ・従業員の自宅付近(ステルスエリア)の位置情報を見れなくする機能

高齢者の見守りや、送迎の際のスタッフ管理など様々な場面で業務効率化へ繋げることが可能となっております。
GeoPitaでは無料トライアルを実施しているので是非実際に試していただくことをおすすめしております。

GPSサービスによるシニア見守りで安全な高齢者介護へ


GPSによる位置情報サービスは、高齢者にGPS端末を身につけてもらうだけで、手持ちのスマホやタブレットからいつでも位置情報を確認できます。特に認知症に伴う高齢者の徘徊対策に有用です。GPS端末を身につけ徘徊している高齢者をリアルタイムで位置の追跡をし、一括管理することで手軽に対策を行うことが可能です。GPSサービスを活用し、より安全な高齢者介護を検討してみてください。

高齢者の介護に有用な位置情報サービス(GPS)とは?