2023/11/21

位置情報サービスの未来



“みちびき”7機体制 – 宇宙からの新たな挑戦と位置情報サービスの未来

宇宙旅行が可能となる現代が目の前までやってきました。日本人初の月面着陸も計画が進んでいます。宇宙が大好きな私としては、本当にワクワクしています。
そして宇宙は地上にいる我々の生活にとっても、身近な存在になっています。
その宇宙の中で活躍しているのが位置測位システムです。特に注目すべきは、日本が誇る衛星測位システム「みちびき」。現在4機が稼働中の「みちびき」ですが、2024年度にはその数が7機に増える予定です。これは、位置情報を仕事とする我々にとって、まさにビッグイベントと言えるでしょう。

【現在の位置情報サービス】

位置情報システムは、カーナビの走行情報から子供や高齢者の見守り、そしてスマートフォンの地図アプリと、我々の生活の様々な場面ですでに利用されています。
アメリカのGPSを始めとした各国も独自の衛星測位システムを持ち、我々のサービスでも、「みちびき」を含む各国のGNSS(全球測位システム)を活用して位置情報を捕捉しています。

【機能性能向上項目】

7機体制となると、GPSに頼らずに持続測位が可能となり、下記の4項目の機能性能向上が見込めます。
弊社のGeoPitaでは、7機体制によるユーザー測位精度が向上により、これまでの誤差が1m単位にまで圧縮することが出来るかもしれません。
工事現場・建設現場等の危険な場所への立ち入りアラートや子供・高齢者の見守りが位置情報の精緻化により安全性の向上が見込めると考えています。

①測位精度向上
 衛星の位置誤差を改善する「衛星間測距機能」等によるユーザー測位精度の向上

②信号認証サービス
 信号のなりすまし(スプーフィング)を防ぐ「信号認証機能」による、測位信号の安全・信頼性の向上

③災害・危機管理通報サービスの拡張
 衛生安否確認サービスの災害機能拡張による、利活用の促進

④高精度測位捕捉サービスの時間短縮とエリア拡張
 高精度測位補強サービス(MADOXA-PPP)の初期収束時間短縮、災害・危機管理通報のアジア・オセアニア地域への提供による、利活用製品・サービスの海外展開の促進

参考:https://qzss.go.jp/overview/services/seven-satellite.html

【みちびき7機体制】

さて、話はもどって、「みちびき」は現在4機から7機へと増やす計画が進行中です。7機体制になれば、日本上空にいる衛星数が増え、それぞれの衛星同士や地上に設置した新規地上システムとの相互通信が可能となり、軌道の位置や時計のずれを補正することで、さらに精度を高めることが可能になります。
私達の生活面では、Jアラート情報(ミサイル発射情報)及びLアラート情報(避難勧告)の災危通報の配信に必要なインターフェース回収や信号生成機能の拡張等も開始されます。また地上の情報を衛星に送る事も容易になります。
現在はまだ実証実験段階ですが、1cm~1m程度の精度にまで目指せるとの事です。
位置情報の精度向上により、研究開発の分野や各業界のビジネスに於いても、多くの変化が期待されています。これまで実現が難しかったビジネスや、企業のDX化、労働者不足の問題の解決、より安全なインフラ整備など、アニメで夢見た未来もすぐそこまで来ているのですね。
我々もこの進化に合わせて、サービスを向上していきたいと考えています。

【位置情報システムの進化が可能にする未来】

この進化した位置情報システムがもたらす未来とはどんな世界でしょうか。
その一つとして考えられるのが、”ラストワンマイル”の宅配の自動化です。ドローン配達も、着地位置がずれたり、飛行航路が悪天で電柱や家屋にぶつかり落下すると、大変な人身事故に繋がります。これを補正してくれるのが正確な位置情報と言われています。また、今後は広く活用される自動車や船舶の自動運転や、未来の空飛ぶ車も正確な位置情報は必要不可欠になると言われています。
どうでしょう、宇宙旅行と同じくらいワクワクしませんか?

※現段階でGeoPitaに実装している技術という事でなく、将来的な採用を視野に入れている技術としてご紹介させていただきました。

“みちびき”7機体制 – 宇宙からの新たな挑戦と位置情報サービスの未来