
【イントロダクション】
ラグビーワールドカップフランス大会2023での日本代表の活躍もあり、ラグビーは多くの国民が応援する人気スポーツのひとつとなりました。代表のプライドをかけた肉体と肉体のぶつかり合いには本当に感動します。
さて、現在のスポーツ界において、最新のテクノロジーやデータの活用は欠かせないものになっています。もちろんラグビーも例外ではありません。
GPSやGNSSといった最新の位置情報技術が、試合やトレーニングを劇的に変化させています。
【GPS技術の基本】
Global Positioning System(GPS)とは、アメリカ合衆国が開発・運用している衛星測位システムです。日本国内の位置情報取得には、GPSを含めたGlobal Navigation Satellite System(GNSS)(最大4か国の衛生測位システム)の活用が一般的です。
参考までにIoTBankの位置情報製品はもちろんGNSS対応です。


【位置情報技術を活用する必要性】
多くのラグビーチームでは、選手が着用する『GPS位置情報ユニット』を採用しています。
選手の動きをリアルタイムで追跡し、走行距離やスプリントの回数、衝突の強度などを分析します。
ラグビーは、選手の体力と戦術の最適化が極めて重要なスポーツです。位置情報技術を活用することで、リアルタイムで数字値にて把握することができ、そのデータを基にトレーニングや戦術の改善を図ることが可能となります。
また、選手の疲労度や怪我のリスクを予測し、適切な休息やトレーニング調整を行うこともできます。
【位置情報技術の活用による選手・監督・戦術への影響】
選手: 位置情報データを通じて、自身の運動パフォーマンスを客観的に知ることができます。これにより、選手自身が自分のコンディションや体力の管理に役立てることができるようになります。
監督: 選手の動きや疲労度をリアルタイムで把握することで、適切なタイミングでの交代や戦術の変更を即座に判断することが可能となります。
戦術:位置情報データをもとに、チーム全体の動きや配置を分析し、効率的な戦術やフォーメーションを考案することができます。これにより、試合中の戦術変更や次の試合に向けた戦略の検討がより具体的になります。


【選手が身に着けることのできる位置情報デバイス】
現代のスポーツ界で利用される位置情報デバイスは軽量で、選手の動きを妨げないデザインとなっています。多くのトラッカーは背中に小さなポケットがあるベストの内側や、ウェアの内蔵ポケットに収納して使用します。これらの『GPS位置情報ユニット』は、選手の位置、速度、距離、心拍数などの情報をリアルタイムで収集することができ、後で詳細な分析のためにデータをダウンロードすることも可能です。
【スポーツにおける位置情報利用の事例紹介】
『オールブラックス』の愛称で知られるラグビーニュージーランド代表チームは、選手のパフォーマンスを最適化するために位置情報データを活用しています。選手一人ひとりのフィジカルデータをリアルタイムでモニタリングし、コーチングスタッフは個別のトレーニング調整や戦略を立てる手掛かりとしています。
参考:https://www.allblacks.com/news/all-blacks-join-forces-with-statsports/
サッカー選手がブラジャー型装具に取り付けられた位置情報デバイスを用いて、自身の動きを計測しています。これにより、「走行距離」「走行スピード」、「加速・減速」「体の傾き」、「方向転換」などのデータが取得できます。これらのデータを基に、選手のケガのリスクを下げるとともに、試合に向けて選手のコンディションを管理することが目的です。また、データに基づく評価基準ができることで、選手のコンディションを適切に管理できるようになります。
サッカーだけでなく、米国のプロバスケットボールNBA・プロアイスホッケーのNHL・プロアメリカンフットボールのNFL、国内ではラグビーのトップリーグチームや日本卓球協会等が採用しています。
参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO16784320U7A520C1000000/

【今後の活用について】
近い未来では、AI技術と位置情報技術の組み合わせにより、自動化された戦略提案や、更に細かいパフォーマンス分析が可能になるでしょう。また、ウェアラブルテクノロジーの進化によって、選手自身が自分の身体をより科学的に理解し、コンディション管理に活かすことも期待されています。
また、位置データをチーム内で活用するだけでなく、スポーツファンがより楽しめるような、データを活用した中継に変わっていくでしょう。
【最後に】
スポーツとテクノロジーは切り離せないものとなっています。
今後はもっと多くの競技にも位置情報技術が活用されていく事になると思います。
IoTBankでは、様々な業界やシーンで活用いただける、位置情報デバイスと、そのデータを活用するためのシステムの受託開発を行なっています。お気軽にご相談くださいませ。
問合せ:https://iotbank.co.jp/odm/contact.html