2023/11/28

動物の見守り・管理



動物・ペットの安全と管理、IoTによる新たな解決策

 動物を取り扱う団体(動物愛護団体等)や飼い主によって管理している動物・ペットの逸走・行方不明、畜産動物の行動管理における問題・課題は、その団体や飼い主、畜産・酪農業界以外では知られていない深刻な問題があります。

 現在はIoTやGPSトラッカーなどの新しい技術を使って、これらの課題に対する新たな解決策が期待されています。

課題と現状

 動物愛護団体では、保護した動物をボランティアにより散歩や管理等を行っています。

 散歩時に何気ないモノ音(例えば車の音など)でパニック状態になりボランティアの手を離れて逃げてしまうことがあります。また、家庭内で飼われる動物であっても、飼い主不在時や、窓を開けた隙等のふとした瞬間に逃げ出してしまうケースがあります。

 畜産業では、広大な放牧地で飼育動物の管理が難しくなり、労力とコストがかかるという問題があります。現行の追跡・管理手段では、これらの問題を十分に解決することは難しいのが現状です。

IoTとGPSトラッカーの技術

 IoTとGPSトラッカーは、リアルタイムで位置情報を把握することができる技術です。これにより、ペットの行方不明を防ぐだけでなく、畜産動物の追跡・管理も容易になります。

 例えば、GPSトラッカーをペットの首輪に取り付ければ、飼い主はタブレットやスマートフォンでいつでもペットの位置を確認することができます。

犬猫の保護・譲渡時の逸走防止に関する実証実験事例

 全国で犬猫の保護・譲渡を行う認定NPO法人と協力し、弊社のGPSトラッカーの有効性・有用性を調査するための実証実験を行いました。

 これは、ペットが逸走した際の危険回避や探す手間の削減を行い、すぐにペットを保護できるようにするための取り組みです。このGPSサービスは、ペットが装着することで位置情報を提供し、逸走後もペットの位置情報をリアルタイムで確認することができます。

 本サービスがボランティアの散歩管理や、新しい飼い主とのトライアル期間中の管理、さらには里親会場での安全管理など、様々なシーンで役立っていることが確認されました。

 保護犬が逸走して行方不明になった場合、交通事故に遭遇してけがを負ったり、空腹や病気で衰弱して動けなくなったりする危険性があります。また、飼い主不明の動物は動物指導センターに引き取られ、殺処分されてしまうことも多い現状があります。そういった状況に陥るのを防ぐためにも、位置情報の把握が有効であることが分かりました。

ペットホテルの導入事例

 あるペットホテルでは、悲しい事故が発生しました。お預かり中のペットが逃走し、結果的に遺体で発見されるという痛ましい出来事が起きました。この事故は、換気のために、締めていなければいけないドアを全て開放してしまったことが原因でした。スタッフは脱走に気づき、すぐに捜索に出ましたが、ペットを見つけることはできませんでした。

 この事故を受けて、ペットホテルは、ドアの開放管理、スタッフの配置、緊急時の対応マニュアルの作成など、多くの点で見直しを行ないました。そして、これらの対策に加えて、さらなる安全対策としてGPSトラッカーの導入を始めました。

 GPSトラッカーを導入すれば、ペットの位置情報をリアルタイムで把握することができ、万が一の逃走時でもすぐに対応することが可能となります。また、GPSトラッカーはペットの行動範囲や活動パターンを把握することも可能で、日々の管理にも役立ちます。

畜産・酪農導入事例

 畜産業の現場でもGPSを活用した事例があります。本サービスでは、牛の耳に小型のタグ状の通信機を付け、直接衛星通信網に位置情報を送信します。これにより、危険地域への立ち入りによるけがや、脱走などの異変をすぐに把握し、事故の防止や管理負担の低減につなげることが可能となります。

 従来の放牧牛の位置情報を監視する装置は、首輪形のものが主流でしたが、牛同士の接触による破損や落下などのリスクがありました。しかし、新たに開発されたこのサービスでは、これらの問題を解決し、パソコンやタブレットさえあれば利用できるようになりました。

 このサービスは、ある牧場で試験的に導入され、良好な結果を出しています。首輪形の装置も使用していましたが、餌の奪い合いなどで外れることがあったという問題がありました。しかし、新たに導入されたタグは現時点で落下や故障がなく、監視を継続できれば発情の兆候分析につながり、管理負担の軽減が一層狙えると期待されています。

最後に

 IoTとGPSトラッカーの技術は、大切なペットや畜産・酪農動物の行動管理に革新的な解決策を提供しています。これにより、家族と同じペットの安全はもちろん、畜産業での飼育の効率化も期待できます。我々の会社も、この可能性を追求し、法人向けのソリューションを提供していきます。

IoT Bankのペット用GPS製品

※本製品はリリース前となります。詳細は別途下記から問い合わせくださいませ。

最後に、本日のコラムをお読みいただき、ありがとうございました。我々の新製品にご期待いただければ幸いです。

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